小学生まで、21時になったら寝ろと怒鳴られながら育ち、中学ではスマホが22時から使えないように制限されていたためか、日付を超える夜更かしは私にとって特別背徳感が大きい行為だった。
真っ暗な寝室の布団の上で、隠れながらスマホの設定をくぐり抜けて友達とLINEをした夜は、間違いなく私の青春である。
親が手を洗いに起きてくると寝たふりをした。時々バレてその時も怒鳴られた。そんな大きい声出さなくても聞こえるのに。
大学生になると、親は私の生活サイクルにとやかく言わないようになった。どうやら19歳以上は躾をする年齢ではないとしているらしい。シンプルに叱りつける体力がなくなってきているのも理由の一つだろう。
0時を超えて大学の試験勉強をしていると、やっていることは勉学だけれどもなんだか不良になった気分になる。
早く寝なきゃ。
翌朝のどうしようもない眠気とけだるさへの憂慮もさることながら、夜遅くまで起きていることに対する罪悪感がもっぱら強い。
だからこそ、この試験前夜はたまらなく興奮するのだ。
試験自体をパスできるか瀬戸際にいるという緊張感ももちろん興奮材料にはなっているが、禁忌を犯しているという意識が胸を高鳴らせる。
こんなこと言ってる場合じゃない、勉強しなきゃ。